指定課題研究報告
アジア地域のヨード欠乏性障害に関する現状:ICC/IDD Asia/pacific Chapter Regional Meeting における報告内容および第9回アジアオセアニア甲状腺学会におけるICC/IDD関 連の報告内容について




    布施養善(東邦大学医学部周産期医学教室)・紫芝良昌(三宿病院)
   (この学会に出席するための費用の一部は成長科学協会研究費より支出された)



成長科学協会に採択された研究課題:ヨード摂取と甲状腺機能に関する研究、の−環として、2003年12月シンガポールにて開催された、アジアオセアニア国際甲状腺学会において、以下の活動を行った。

1.  12月2日 イーストマン教授の主催するアジア太平洋地域ヨード欠乏症対策部会に出席、各国代表者と意見交換、討論に積極的に参加した。内容的に重要な知見として以下を挙げることが出来る。
 a)中国内陸部のヨード欠乏地域について、ヨード化食塩の導入前と導入後に学童のIQを同年齢について調べて比較したところ、平均10.5ポイント導入後の方が高かつた。
 b)タイの山岳地帯では、ヨード化食塩の導入により、特に高齢者において甲状腺機能亢進症の多発する事が認められた。同様の知見は中国審陽でも経験された。

2.  12月3日 Symposium 1. Iodine deficiency において座長を務めた。この席ではベトナムにおけるヨード欠乏対策の現状が報告され、ベトナムからの報告はベトナム戦争後初めてのものであり、ダイオキシンなどとヨード欠乏の複合影響の懸念のあることが表明された。

3.  12月4日 Oral Session 3. Iodine transport and diseases において布施養善医師の共同研究者として出席し討論に参加した。

4.  12月4日 Symposium 9. Environmental factors on the thyroid の座長を務めた。この席で名古屋大学環境研究所 妹尾久雄教授から、ダイオキシンはAH受容体を介して肝臓のサイロキシングロクロン酸抱合酵素を誘導し、サイロキシンの肝臓から消化管への排泄を増加させることによって作用する可能性が報告された。


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