指定課題研究報告
アドバース・イベント 調査研究報告


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主任研究者 横谷 進 (虎の門病院小児科)
齋藤友博 (国立小児病院小児医療研究センター環境疫学)
田中弘之 (岡山大学医学部小児科)
谷澤隆邦 (兵庫医科大学小児科)
寺本 明 (日本医科大学脳神経外科)
西 美和 (広島赤十字・原爆病院小児科)
渡辺 昌 (東京農業大学応用生物科学部栄養科学科)




 アドバース・イベント(AE)調査研究専門委員会では、次のような項目について調査研究を行った。(括弧内は分担委員)
1. 治療成績報告書に記載された「合併症」の活用法の検討(齋藤)
2. GH治療を行った軟骨無形成症における耐糖能の検討−BMIとの関連(田中)
3. 慢性腎不全性低身長症に対するGH治療−中止・脱落例のアンケート調査−(谷澤)
4. 1999年の文献からのAE情報(西)

 成長科学協会が独自に把握することができるAE情報は治療成績報告書への記載であるが、研究1.に詳述してあるように、すべてのAEが記載されていることが期待できず、また、集計に適した書式でないことから集計が可能になるまでの問題が大きい。さらに、AEの詳細(重症度、因果関係、治療、転帰など)が全く不明である。こうしたことから、現在の報告書からのAE情報はあまり期待できない。今後に発展させようとするならば、書式の全面的な改定や、それに記載する主治医への十分な説明と理解が不可欠と思われる。
 企業からAE情報を取得する方法についても検討した(担当、横谷)。そのなかで最も期待されるのは、新医薬品にかかわる再審査制度における「使用成績調査」のデータを各企業から提供してもらい、国内における多数例を対象とした症例集積研究を行うことである。GH製剤の成長ホルモン分泌不全性低身長症とGH分泌不全を伴うターナー症候群への使用については、それぞれ1988年9月15日と1991年1月17日から始まり、前者についてはすでに10年間の使用成績調査が各社によって集計され、厚生省に提出された。厚生省による再審査結果の告示の後に5社から使用成績調査のデータの提供を受けることができれば、7000名を超える症例の集積が可能であると推測され、世界的にも規模の大きな研究が実現するものと期待される。とくに、血液検査等における検査値の変動は高い捕捉率で抽出されるはずであり、また、欧米で臨床的に重要と考えられてきたAEの、日本における頻度も知ることができると思われる。1999年度は、こうした研究の可能性について検討し、具体化のための準備を行った。



1. 治療成績報告書に記載された「合併症」の活用の検討

【はじめに】

 「ヒト成長ホルモン治療成績・中止・再開・転院報告書」が主治医から提出されており、この報告書には過去1年間の治療中の「副作用」ならびに「合併症」の欄がある。委員会ではこの「合併症」記載事項の活用を計る方策を探った。すなわち、毎年の報告情報から、ある合併症の発生状況や新たな合併症の発生を随時調べたり、年間の各合併症の発生頻度を集計して、治療法の改善や対策などに役立てるにはどのようにしたらよいかを検討した。

【現在のデータ管理状況】

 報告書は主治医が記入し提出している。「副作用」欄では、1無、2有、3有無判定不能、を選択し、2,3の場合は詳細の記入を求めている。「合併症」欄では過去1年の投与期間中に現れた合併症を、GH治療との関連にかかわらず自由記載するよう求めている。
 記載された報告書は情報処理の民間会社に委託してデータ入力がされている。報告書の項目の半分以上は数値コード選択の入力ではなく、計測や日付の数値や文字の入力となっている。今回検討の対象とした「合併症」では、記載された文字そのままの入力がされている。


【データ入力状況】

 今回の検討の資料として、1986年〜1999年の治療成績報告書の入力データから、個人番号、性別、年月日(記載)、副作用、合併症の入力データを用いた。この期間の報告書93555例中、副作用および合併症のいずれか、または双方に記載のあるものを抽出した。2534例であったが、複数年にわたっていることもあり、個人番号が同一で同一人と思われるもの359例では一方を削除し、2175例が残った。これらを年次別にみると1986年は一桁、1987年から1991年までは二桁、1992年が百件台、1993年と1994年が二百件台、1995年以降が三百件台で、入力途中の1999年が二桁であった。
 この2175例のうち、治療中止報告でこの欄に中止の理由が記載されていたもの、文字化け(理由は現時点では分からない)が119例あり、これらを除外した。また、判読不能、入力データからは書かれている内容の取り扱いの判断のできないものが 72例あった。最終的に残った1984例が検討の対象となった。なお、集計には入れたが医師が判読しなければ読めない例は104例であった。
 複数の合併症の記載のあるものが333例あったので、1984にこれを加えた2317件の合併症が以下の集計の対象となった。


【記入・入力上の問題点】

(1) この欄に不適な回答がある。治療中止の理由や時期、検査未実施など。
(2) 乱筆で判読できないものがある。これらは入力できない、入力された語句やスペルの誤りなどとなっている。次の項と絡み合っていることも多い。
(3) 判読できても意味不明のものがある。略語、外国語、専門用語。前の項と絡み合っており、医学辞典などによっても判定できないものも多い。これらの多くは医師による判読は可能である。


【集計上の問題点】

(1) 同一のものでも統一した語でないと集計が困難。日本語と外国語の混用。人名を冠したものと病理学的疾患名。省略法の違い。多くは医師の判読で集計は可能である。
(2) 疾患名であったり、検査結果(検査値)のみであったりして、同一の病態でも基準がないと同じ集計結果が得られない可能性がある。
(3) 「合併症」と「副作用」がきちんと区別されていない。双方の欄に同じ疾患があったり、一方には検査結果で他方には疾患名など、さまざまな記載となっている。
(4) 明らかに副作用や合併症以外で他の欄に記載すべき事項、たとえばGH分泌不全の疾病分類や本病態の説明などがこの欄に記載されていたものがある。


【集計結果】

 集計は問題点で述べたように副作用と合併症がきちんと区別されていないこともあり、両方を一緒にして行った。
 疾患名、検査結果、病状等が混在していたが、これらをそのまま集計した。
単純に記載項目上位20項目とその頻度を( )内に記す。
気管支喘息(152)、甲状腺機能低下(124)、肥満(110)、血尿(96)、アトピー性皮膚炎(82)、発疹(72)、関節痛(57)、蛋白尿(54)、貧血(51)、てんかん(49)、上気道炎(47)、鼻炎(47)、頭痛(45)、肝機能障害(43)、GOT・GPT・LDH上昇(39)、性早熟(35)、ネフローゼ(33)、胃腸炎(31)、頭蓋咽頭腫(31)、けいれん(30)。
 21位以下30位までは頻度20台、31位から46位まで頻度10台、47位以降は一桁の頻度であった。


【問題点への対策】

 データ入力状況、記入・入力・集計上の問題点、集計結果から、このままでは治療報告書の合併症、副作用の記入事項を速やか、かつ有効に利用することが困難であることが分かる。これを踏まえて考えられる対応策を示し、それらの利点、問題点を加えた。
(1) 現状のまま入力担当者の教育をする。
問題点:だれが、いつ、どのような教育をするか。教育後、問題点が解決するか。
(2) この欄の入力は現在の入力担当部署ではなく医師の監督下で入力する。
利点:不充分な入力の見直しと訂正の手間が省ける。
問題点:どこでやれるのか。集計に困難が伴う。合併症の有無の判断に医師の主観が入る。
(3) 委員である医師が毎年原票ないしは入力データから集計する。
利点:判読不能からの入力ミス、判読不能がほとんどなくなる。検査から疾患への読み替え等ができる。
問題点:だれが、どこでやるか。記載の基準不統一はあまり解消されない。
(4) 記載はそのままとし、合併症の一覧を作成してコード化し、入力時にはコードを入力する。一覧にないものは記載事項を入力してもらう。
利点:入力の手間が減る。
問題点:完全な一覧は困難。コード化の判断の難しい場合の対処が必要。
(5) 合併症の一覧表を作成し、報告書にはそのコードを記載してもらう。
利点:合併症有無に主観が入りにくい。入力は簡単。正確となる。
すぐ解析可能。
問題点:一覧表を早急に作成する必要。余分な書類が必要。主治医の協力が不可欠。
(6) 現状のまま、必要性が生じた時に随時、入力されたファイルあるいは原票を見て各研究担当者が集計目的に沿って集計する。
利点:目的に近い集計がその都度できる。
問題点:集計する方も準備する方にもその都度負担がかかる。

 以上のほか、合併症や副作用欄には、中止・転院の理由、GH分泌不全の疾病分類、臨床経過等が記載されていたので、必要であればこれらの欄を設け、この報告書の利用目的によっては「その他」等の記載欄も設ける必要性がある。


【結論と提言】

 今回の報告は、合併症や副作用を報告することではなく、その効果的な利用法を検討することを主眼としたものである。従って、集計結果をそのまま、合併症、副作用ととることには問題がある点に留意が必要である。
 治療報告書は研究目的のためでないこともあり、治療改善を含む研究目的には必ずしも適していない。もし、何らかの目的で利用を計るのであれば、利用目的を明確にし、その目的に沿った形式に変える必要がある。
 今回のまとめを参考に、「治療成績・中止・再開・転院報告書」の形式の変更も含め、関係者の合意とその実現へと向けた作業が必要である。


2. GH治療を行った軟骨無形成症における耐糖能の検討−BMIとの関連

 軟骨無形成症における肥満についての定義には、その特異な体型より一定の見解は現在の所存在しない。当院(岡山大学小児科)においては現在4年以上の長期にわたり成長ホルモン治療を実施している患者が存在する。これら患者のBMIの多くは経過中に25以上を示し、軟骨無形成症患者でなければ明らかな肥満である。実際、成長ホルモン治療中には経口ブドウ糖負荷試験によって境界型を示す症例も存在する。そこで、軟骨無形成症におけるBMIを検討し、耐糖能に及ぼす影響をレトロスペクティブに解析した。

対象および方法

 当院で4年以上GH治療を行っている軟骨無形成症患者(男児10人、女児13人)経口糖負荷試験はGH治療開始時より2年毎に、糖負荷1.75 g/kgで行った。

結果

 下図に経過中経口糖負荷試験で境界型を示したもの(a 男児4名、女児3名)と示さなかったもの(n)のBMIを成長ホルモン開始時(左図)と開始4年(右図)に示す。

BMI


成長ホルモン療法開始時には両群間に有意な差は認めないが、使用4年では耐糖能異常を示した例と示さなかった例の間には明らかな差を認めた(a: 25.3±1.39 vs n: 22.5±1.535; p<0.05)。またこの異常は、大半が4年目の検査で生じていた。

結論

 以上の結果より、軟骨無形成症患者においてもBMIの過剰な増加は耐糖能異常を生じることから、治療上留意する必要があると考えられた。実際の基準値を作成するにはまだ例数が不足しているが、現時点ではBMI24以上を要注意領域として考えるのが妥当であろう。



3. 慢性腎不全性低身長症に対するGH治療
−中止・脱落例のアンケート調査−


 慢性腎不全(以下CRI)小児の合併症のなかでも成長障害は将来の患児のQOLを考えると重大な問題である。1997年9月からCRIによる低身長に対して成長ホルモン(以下GH)治療が保険適応となったことは大きな福音である。しかし、諸種の理由で治療を中止した症例もみられる。今回、私どもは成長科学協会に適応申請後、治療を中止した症例23例を対象に、その詳細をアンケート調査し、アドバースイベントを含めて最近の状態を検討したので報告する。

対象と結果(表)

対象:23例(男:9例、女:14例)で、GH治療開始年齢は平均10.9歳(±3.5)、開始時身長SDSは平均−3.36(±0.97)、開始時糸球体濾過値(GFR、血清クレアチニン値からSchwartzの換算式で求めた)は平均15.3ml/min/1.73m2(±13.2)である。治験切替例が6例含まれているので、GH投与量は平均0.6IU/kg/週(±0.3)となっている。中止までの投与期間は平均0.58年(±0.18)である。慢性腎不全に至った原因疾患は先天性奇形に伴うものが17例と大多数を占める。

結果

 中止理由は移植が10例と最多で、伸び不良、骨端線閉鎖、希望しない、などが続く。
 中止時身長SDS平均−3.27(±1.01)と開始時と有意な改善は認められない。GH治療開始後平均3.28年(±2.38)の最終観察時点での身長SDSは平均−3.26(±1.42)と開始時と有意差は認めない。
 最終観察時の状態では腎移植後状態が11例、腎機能の進行による透析療法下が8例(血液透析:3,腹膜透析:5)、不明が3例、保存的治療が1例である。
 症例9は、2次性副甲状腺機能亢進症で副甲状腺剔出時、直径2cmほどの腫瘤があり、follicular adenocarcinoma of the thyroid glandの診断で、GH30IU治療を平成9年11月で中止した。平成11年5月に生体腎移植され、平成11年末現在では生着中である。
 なお、その他のアンケート意見としては、@CRIの低身長にGHは有効。GFR50ml/min/1.73m2以上の保存期での保険診療は個人負担が大きすぎる。A登録手続きが煩雑、B毎日注射は大変、などがあった。

考案

 今回の中止・脱落例の理由では、腎移植のためが半数を占めている。これはGH治療が保存期あるいは末期腎不全による成長障害を最小限にすべく処方されていることを示している。しかし、CRIにおける成長障害はGH抵抗性だけによるのではなく、腎性骨異栄養症、代謝性酸血症、栄養障害など種々の要因が挙げられるので、それらに対する適切な治療のもとにGH療法が併用されることが求められる。したがって、今後はなお一層小児内分泌科医と小児腎臓病科医との連携が重要となってくると考えられる。
 GHの効果判定は中止までの投与期間が平均0.58年と短期間であることと何らかの理由で中止した症例であるので、困難である。しかし、心配されたアドバースイベントのなかで、とくに因果関係の明白な悪性疾患によると考えられる中止・脱落例は認められなかった。また、欧米での報告例に認められる耐糖能異常、骨合併症、高脂血症などは現時点では指摘されなかったが、今後の症例数の蓄積によってその有用性と問題点を追求する必要がある。さらに、アンケートで指摘された、保存期CRIでのGH治療は小児慢性特定疾患の慢性腎疾患が入院治療のみが対象となっている都道府県では保険診療となるために患者負担が高額であることも、症例数も少なく、多くが移植までの短期間治療であることを考えあわせると今後の課題である。



表 慢性腎不全性低身長症に対する成長ホルモン治療−脱落・中止例のアンケート調査−



4. 1999年の文献からのアドバース・イベント情報

@ 成長ホルモン投与中の思春期前男児に生じた女性化乳房
      清水一男他(私立豊中病院小児科)
      小児科臨床 52:1941−1942,1999
    GH投与4カ月で生じ、投与中止後2カ月で消失
    睾丸容量は左右ともに2mlで、陰毛無し
    生後4カ月からてんかんのためにフェノバルビタール投与中。

A 成長ホルモン投与中にけいれん発作を呈した2例  (P-85)
      永木 茂他(東京女子医大小児科)
      第32回日本小児内分泌学会,金沢 H10年10月
      症例1:11歳男児、在胎25週、出生体重831g、仮死(+)
          MR、1歳児に熱性けいれん4回
          GH治療開始;6歳4カ月、 6歳6カ月時全身性共強直性
          けいれん頭部CT, MRI正常
      症例2:6歳男児、  Noonan syndrome
          GH治療;4歳10カ月、 5歳1カ月時けいれん重積
          頭部CT 軽度脳萎縮

B 成長ホルモン治療中に大腿骨頭すべり症を合併したCAPD患者の一例 (演題14)
      玉江 末広他 (鹿児島生協病院 小児科)   
      第21回日本小児腎不全学会  H11年9月  淡路島
      症例:14歳、  9歳:腎移植→拒絶反応,CAPD治療
       二次性副甲状腺機能低下症も合併

C 成長ホルモン投与中に巣状糸球体硬化症を発症した1例
      森 美喜夫他 (広島県立病院 小児科)
      第34回日本小児腎臓病学会学術集会  1999年5月、 新潟
      6歳より無症候性蛋白尿、 GH治療;10歳、 14歳 巣状糸球体硬化症

D Langerhans' cell histiocytosis (LCH) in a patient with Turner syndrome treated with growth hormone   (P-6)
      Igarashi N, et al.: (富山県立中央病院 小児科)
      第13回小児成長障害研究会  1999年11月、  大阪
      7歳 Turner syndrome、  GH治療開始 4歳半、 7歳5カ月時LCH

E A 18-year-old female with glomerulosclerosis, growth hormone deficiency and diabetes insipidus following treatment for a suprasellar germinoma
      Araki K, et al.:   (土佐希望の家病院)
      第13回小児成長障害研究会  1999年11月、  大阪
      6歳児 germinomaと診断、治療、   GH治療; 9〜15歳
      11歳時  glomerulosclerosis診断

F Can growth hormone treatment in boys without growth hormone deficiency impair testicular function?
      Bertelloni S, et al.: J Pediatr 135:367-370, 1999.

G A red flag unfurled? Growth hormone treatment and testicular function
      Frasier SD.: J Pediatr 135:278-279, 1999.
      4症例:  GH治療開始時; 6歳7カ月〜14歳8カ月
            At this study; 17歳4カ月〜25歳5カ月
            GH治療期間; 4.3~12.4年間
            睾丸容量;9~14ml, impaired spermatogenesis,
            hypergonadotropic hypogonadism

HSlipped femoral epiphysis, idiopathic intracranial hypertension during growth
      hormone treatment
            Wilton P.: Clin Pediatr Endocrinol 8 (Suppl 13): 85-87, 1999
      KIGS:  約30,000人
      SCFE; 15例 
      GH治療そのものよりirradiation, chemotherapy, steroid therapyが関係する
      Idiopathic intracranial hypertension; 13例
      GH治療開始後1週〜4.5年、  6人; GH治療開始1カ月以内に発症

IIncreased mortality associated with growth hormone treatment in critically ill adults
      Takala J, etal.: N Engl J Med: 341: 785-792, 1999
      体重 <60kg , GH 5.3mg(≒16 IU)
         >60kg, GH 8mg(≒24IU)
      最大21日間投与
      Morbidity↑, Mortality↑

JGrowth hormone replacement therapy is not associated with any increase in mortality Letters to the editor
      Bengtsson BA, et al.: J Clin Endocrinol Metab. 84:4291-4292, 1999
      前の論文のコメント、反論
      GH治療量がKIMSの一般的使用量の約10倍多い

KMelanocytic nevi in children treated with growth hormone
      Wyatt D.: Pediatrics 104:1045-1049, 1999
      GH治療により母斑の大きさが大きくなるとの報告 (Bourguignon J-P, et al.: Lancet 341:1505-1506, 1993)があったが、この論文はそれを否定している。
      米国のNational Cooperative Growth Study の調査では、GH治療による母斑の数の増加や皮膚癌の危険性はない。
      今回のMilwaukee Study でもGHD 90例、ターナ症候群24例の調査でも母斑の数の増加はない。

LPseudotumor cerebri in children receiving recombinant human growth hormone
      Rogers AH, et al.: Ophtalmology 106:1186-1190, 1999.
      眼科雑誌では初めてのGH治療とpseudotumor cerebriの関連性を記したものである。
      3例:ターナー症候群、Jeune 症候群、ダウン症候群それぞれ1例ずつ
      GH治療中で、頭痛、視覚異常などがあれば本症も考え、
      眼科的精査が必要である。

MDetermination of insulin-like growth factor-I in the monitoring of growth hormone treatment with respect to efficacy of treatment and side effects: should potential risk of cardiovascular disease and cancer be considered?
      Juul A. Horm Res 51 (supl 3): 141-148, 1999
      GH 治療による血中IGF-Iを長期間異常高値にすることの危険性
      高IGF-I血症と前立腺がん、乳がん、直腸がんとの関連性が指摘されていることより注意が必要である。特に、adult GHDのGH治療の場合。
      ターナー症候群、慢性腎不全、IUGRに対する高用量のGH治療の場合。

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